梨といっても幸水や豊水を代表する和梨とラフランスなどの洋梨があります。和梨と洋梨では食べごろに大きな違いがあって、それは「追熟」しないことです。洋梨はマンゴー、バナナ、アボカドと同じように、ちょっと青く硬めの状態で収穫してからでも日がたつにつれ香りや旨味が増してきますよね。それが「追熟」です。その一方で和梨は追熟がありません。なので木からもぎ取った瞬間がいちばんの旬。飯田梨園では毎日食べ頃の梨を選りすぐって朝獲りしています。旬の味をぜひご堪能ください。
大きい方が大味になる野菜やフルーツも多いので疑問に思うかと思いますが、梨農家の視点から正直なお話しをすると「大きい方が甘くて水々しい」です。他の果実でも多く見られますが梨にも実を間引く摘果(てきか)作業があります。実の数を減らし、一玉に届く養分をより多くし甘く水々しく大きく育つ梨ができます。ただし大玉のサイズはどうしても小玉のものと比べ一玉当たりの価格が上がってしまうので、ご家庭によっては小玉や中玉を好まれる場合も多いです。
実は果物には冷やした方が甘く感じるものがあり、梨は冷やした方が糖度が増すんです!その理由は梨に多く含まれている「果糖」のお陰で、果糖は冷やすと糖度が増す成分を持っているためです。なので梨を食べる際は冷やしたものが断然オススメです!ただし冷えすぎると逆に糖度を感じにくくなりますのでご注意ください。
梨は呼吸する果物で、自らの糖質や水分を使って呼吸します。そのため時間が経てば経つほど鮮度や味が落ちてしまいます。
そうは言っても毎日食べる分だけを買いに行くのも大変ですよね。それでも適した保存を行えば長い期間、おいしい状態を保つことができるのでぜひ覚えてください!
まず梨は冷暗所か冷蔵庫で保管してください。個人的には冷蔵庫にスペースがあれば保存期間も長くなるので冷蔵庫での保存をオススメします。冷暗所で保存した場合は食べる数時間前から冷蔵庫で冷やしてください。
冷蔵庫での保存は梨の呼吸を抑え保存期間を長くできますが、乾燥もしやすいので注意です。保存の際に手間でなければひとつずつラップや新聞紙で包んでジップ付きの袋で保存してあげると良いです。ひとつずつは手間になるのでまとめて保存する場合でも袋の中に入れておくだけでも変わります。またヘタの部分を下にして保存するとさらに長持ちします。